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建設コンサルタントは、本当にブラックなのでしょうか。なぜそういわれてしまうのか。実態を調べてみました。
最近よく聞かれるようになった、「働き方改革」や「ワークライフバランス」。一昔前は、「仕事人間」なんて言葉があったように、仕事第一に生きる生き方が当たり前でしたが、今は仕事もプライベートも大事にしたい、お給料の多さよりも働きやすさを重視したい、そういう人が増えているのではないでしょうか?
就職や転職先を選ぶときに、その会社がプライベートも大切にできる働きやすい環境が整っている「ホワイト企業」なのか、それとも仕事量や内容がきつかったり、それに見合ったお給料が出なかったりで、プライベートとの両立が出来ず働きにくい「ブラック企業」なのか、誰もが気になると思います。
公共事業などの調査や設計、維持管理などを担う建設コンサルタントは、建設業界のなかでも「激務」「ブラック企業」などとよく囁かれています。それは一体なぜなのでしょうか?
今回は建設コンサルタントがブラックと言われる理由についてまとめてみました。
建設コンサルタントに就職・転職予定の人、現在建設コンサルタントで働いているけれどブラックな環境に嫌気がさしてホワイトな建設コンサルタントに転職したいと考えている人にぜひ読んでもらいたい内容です。
建設コンサルタントの平均残業時間は、製造業の残業時間の平均に比べると約14時間も長いです。また、建設コンサルタント会社の売上規模が大きくなればなるほど、残業時間が長くなる傾向があります。建設コンサルタントは他業種に比べて圧倒的に残業が多い業種と言えるでしょう。
建設コンサルタントのなかでも、残業時間を減らすために、ノー残業デーやウィークリースタンスなど様々な取組がされ始めています。また、建設コンサルタントの中でも地方の建設コンサルタントは全国の建設コンサルタントの平均に比べて残業時間が少ない傾向があります。
3K(きつい、汚い、危険)のイメージが強い建設業界。そんな建設業界の年間出勤日数のは製造業よりも17日も多く、休日出勤も多いことが分かっています。
そんな建設業界の中で、建設コンサルタントの中でも働き方改革に取り組んでいる事例があります。繁忙期以外の時短勤務、ノー残業デーや深夜作業禁止の徹底などで、総労働時間の削減に効果を上げています。
建設コンサルタントの平均年収は、日本全国の平均年収と比べると決して低くないどころかむしろ高めです。しかし、労働時間が長い、残業が多い、休日出勤がある、といった労働状況と比較すると、実際の働きに対して見合ったお給料なのかという疑問もつきまといます。
そんな建設コンサルタントで年収1000万超えを目指すとなると、大手の建設コンサルタントで働く必要がありますが、建設コンサルタントでは大手になればなるほど残業時間が増えるというデータもあり、収入と働きやすさを天秤にかけて考える必要がありそうです。
建設コンサルタントには柔軟な対応と、大量のタスク・業務をこなす能力が求められます。
柔軟な対応が求められる理由として、土地の状態や天候はもちろん、さまざまな会社が連携して工事を進めるため、計画通りにならないことが往々にしてあるからです。また、夜間工事も実施している場合は、24時間365日何が起きるか分からない状態となり、それゆえに激務となってしまいます。
特に、都心にある企業は抱えている案件が多く、その分地方よりも残業が多くなりがちです。都心の大手企業は扱うプロジェクト規模そのものが大きく、純粋に1人あたりの業務負担も大きくなります。もちろん仕事の進捗によっては残業が必要ですが、建設コンサルタントは業後だけでなく、早朝や深夜にも出勤しなければならないケースもあります。
雨季や年度末など過密スケジュールを組まざるを得ない時期は、どうしても休日出勤になる可能性が高くなります。繁忙期は代休すら取得できないほど忙しいことも。多忙を極めている中で十分な休息も取れず、通勤にも時間が割かれるので、「辞めたい…」と思うようになります。
頻繁に休日出勤や早朝・深夜に出勤しているにも関わらず、頑張りが給与に反映されないケースがあります。「人が少ないから、繁忙期だから頑張るしかない」と自分に鞭打ってやっていても、人事考課は年に1~2度という会社がほとんど。長期間にわたって見合わない給料で働くという状況が続きます。
人間関係に悩みやすい建設業界の中でも、建設コンサルタントは現場の職人とクライアントの両方から厳しい意見をぶつけられる立場です。クライアントは工事に関して深い知識を有していない場合があり、無茶な要望を伝えてくるケースも。その反面、職人側には「無茶な工事はできない」と言われてしまい、話がスムーズに進まないことも当たり前にあります。
双方からの厳しい意見を受け止めながらも、すぐに気持ちを切り替えられないときは、「きつい」「辞めたい」と感じてしまうかもしれません。
公共性の高い建設物を担当する建設コンサルタントは、安全性はもちろん工事の進捗や周辺環境への配慮といった管理、クライアントへの柔軟な対応など、多くの要素を配慮しなければなりません。やりがいを感じられるぶん、工事関係者周辺住民への影響を考えると、社会的責任はかなり大きいと言えるでしょう。
最初のうちはやりがいや責任感を得られる仕事ですが、次第に責任の重さがプレッシャーになることも。自分自身のメンタルを健康に保てるよう注意が必要です。
建設業界の中でも特にハードな仕事である建設コンサルタントを目指す人は、さまざまなな志望動機や意欲を抱いていることでしょう。建設コンサルタントとして入社したのに、期待していた仕事内容と違っていたり希望している部署に配属されないなどから、モチベーションが下がってしまうこともあるようです。
入社前後のギャップを最小限に抑えるためには、入社を希望する建設コンサルタント会社について情報を収集し、業界ではさまざまな仕事があることを十分に理解し、自分の適正に合っているかを判断することが大切です。
建設コンサルタントに求められるのは限られた領域に特化した専門知識ではなく、建設業務における幅広い専門知識です。土木関係の知識はもちろん都市計画や防災計画など、建設に必要な知識の取得・アップデートする必要があります。
建設コンサルタントが建設現場で担う役割は非常に大きいため、日々変化する情報や環境に適応し、臨機応変に対応できる人でないと仕事を続けるのが難しいかもしれません。
今以上の給料を望むなら、さらに上位の資格取得を目指して学び続ける向上心も必要でしょう。常に自分をブラッシュアップするのはやりがいにも繋がりますが、時期によってはスケジューリングも一苦労です。
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建設コンサルタント会社の見分け方