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ゼネコンで電気機械系の施工管理職として3年間働いたMさん(20代)。大学で造園・農業土木を学んだものの、給与面を重視して入社し、学生時代に学んだことが活かせない場所で続けることに違和感を覚え、「やりがい」を軸に設計職へ転身しました。農業土木の領域で活躍する2年目の視点から、転職のリアルを語ってもらいました。
――転職のきっかけと、転職活動の軸を教えてください。
施工管理の仕事自体は楽しかったんですよ。ただ配属されたのが電気機械系の現場で、大学で造園・農業土木を学んできた自分には、分野のズレがどうしても引っかかっていました。もともと給与面を重視したから選んだ道とはいえ、自分が心から興味を持てない分野でずっと続けていくのは違うな、と。それで2社目は、やりがいを軸に探そうと決めました。
――「やりがい」の軸とは?またその他にも転職活動で重視していたことはありますか?
大学で学んだ造園・農業の知識が活かせること、そして土日休みの2点を軸にしました。施工管理の現場では休日の予定が立てにくくて、友人とも予定が合わない時期が続いていたので、そこを変えたかったというところもあります。
リクルートエージェントなど2社のエージェントを利用しながら、求人媒体などでも「造園」「農業」といったキーワードで自分でも検索ました。地域と条件を絞りながら探していたと思います。
そこで今の会社を見つけたときは、農業土木の領域で全国でも上位に入る実績がある会社だとわかって、条件にぴったり合う求人があったことに驚きました。見つけた瞬間、運命を感じ、他と迷うことなく応募したというのが経緯です。
――前職で携わったゼネコンの施工管理職としての働き方はいかがでしたか?
最初の現場は隔週土曜出勤で、夜間作業から早朝帰宅という日もありました。施工管理は現場の工程に合わせるので、どうしても不規則になりがちで。私は体力的にはわりと平気なタイプなんですが、それでも友人や大切な人と予定が合わない状況にストレスは感じていました。
――今の働き方に変わって、どのような変化を感じますか?
今いる会社だからなのかもしれませんが、建設コンサルタントに転職して一番変わったのは、土日がしっかり休めることです。その変化が想像以上に大きいですね。
最初だけ戸惑ったのは、設計作業時のデスクワークが意外と多い点でした。施工管理時代にずっと動き回っていた自分には最初はそこが慣れなくて(笑)。でも今は朝のランニングやお昼の散歩を日課にして、体を動かしながらメリハリをつけています。土日は登山やキャンプに出かけることも多くて、月曜日にはしっかりリフレッシュした状態で戻ってこられるのがいいですね。
――入社2年目で、建設コンサルタントとして主担当を任されているそうですね。
はい。今年8件の案件を持っていて、そのうち4件は自分が主担当として設計を進めています。管理技術者の上司がついてくれているので相談はできますが、業務の方向性や技術的な判断は自分で考えることが求められます。
ゼネコンの施工管理時代は先輩の指示のもとで動くことが多かったので、建設コンサルタントの最初は、主担当であることの責任の重さに緊張しました。でも今は、先輩や技術担当の方たちが話をよく聞いてくれて、現場での判断を「どうしたらいい?」と委ねてくれるとわかったので、失敗を恐れすぎずに取り組めています。
また、設計は施工管理に比べて一つひとつの業務サイクルが短いので、インプットしてすぐアウトプットできる機会が多いんです。覚えたことをすぐ実践で試せる環境なので、成長の実感がつかみやすいと思います。
――現在担当している業務を教えてください。
防災環境保全部の農業土木グループで、農地造成やため池、農業用水路の設計などを担当しています。最近とくに印象に残っているのは、みかん畑の造成計画です。急斜面のみかん畑を切り崩して出た土を水田に持っていき埋め立て、新しい農園地を造成する計画を設計しています。
「これが青森だったらリンゴ畑の設計になるんだろうな」とか考えながら仕事をしていて、農業土木って地域によって全然違うんだと気づかされます。寒冷地なら寒冷地の対策が必要になるし、本当に幅広い。それがまた面白くて。ちなみにみかん農家の方との関係で、会社の福利厚生にみかんがもらえる制度があったりして(笑)、そうした社風もアットホームで好きですね。
――趣味の登山でも、仕事との接点を感じることがあるそうですね。
施工管理時代は、休日に誰かと一緒に出かけるという予定が立てにくかったので、1人でよく山に登っていました。長野や岐阜の山を中心にいろいろ行きましたね。今は土日がしっかり休めるので、行きたいと思っていた山に行けるようになりました。
それとは別に、富山に足を運んだ時のことです。国道41号線沿いに自分が最初に携わった水力発電所の現場があって、実際に走って見ると「ここで自分が仕事をしたんだ」という感覚があります。建設コンサルタントの仕事の良さは、自分が関わったものが地域の風景の中に残ることだなと思っています。
――転職して生活全体で変わったことはありますか?
土日休みになり、プライベートの計画を立てやすくなりました。施工管理のときは休みが読みにくくて、大切な人との時間を確保するのが難しかったんです。今は週末の見通しが立つので、人生の節目になるような出来事も、前向きに受け止める余裕ができたと感じています。
転職のきっかけの一つが、まさにその節目となるタイミングだったのですが、あのとき動いていて本当によかったと思っています。
――仕事のやりがいと生活の安定、両方手にされた感じがありますね。
そうですね。前職のゼネコンは現場手当が手厚くて、収入面では恵まれていました。転職するとその分は下がりますし、年数を重ねるほどその差は広がっていくので、迷う気持ちはわかります。
私は、「早めに動いたので金銭感覚のダメージが小さくて済んだ」と思っています。やりがいのある仕事と、ちゃんと休める時間、自分らしくいられる環境を得たことには、収入の差以上の価値があったと感じています。
――最後に、同じ立場の方へメッセージをお願いします。
施工管理も楽しいし、設計も楽しい。優越はつけられないと思います。ただ私は、「昔から興味のある分野で、学んできたことを活かしたかった」という気持ちが強かったので、今の仕事の方がやりがいを感じているというのが正直なところです。
「施工管理の経験しかないから難しいかも」と感じる方もいると思います。そんなことはありません。とくに土木系の施工管理を経験されている方であれば、重機の選定や施工手順の知識、保有している資格はそのまま設計の現場で活かせるはず。私自身は電気機械系だったので直接活かせる部分は少なかったですが、それでも2年間やってこられています。設計職への移行が難しくなる年代があるとされているため、動くなら早めの方が選択肢は広いと思います。
「お金も大事ですが、今の仕事のやりがいを心から感じています」と話すMさん。ゼネコンの施工管理時代に1人で山を歩き回っていた週末が、今では大切な人と計画を立てて過ごせる週末になった。その変化の積み重ねが、充実したキャリアと私生活の両方につながっているのだと、インタビューを通じて伝わってきました。
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