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建設コンサルタントになるにあたり、コンプライアンスについて正しく理解しておく必要があります。建設コンサルタントがおさえておきたいコンプライアンスのポイントについてまとめました。
一般社団法人建設コンサルタント協会(JCCA)では、倫理遵守の基本原則について定めています。
基本としているのは「技術者の誇りと良心に照らして次の行動をとること」です。専門とするサービスの提供、事実にもとづく表明、依頼者の適正な利益の保護、公正な競争、信念の保持、利害相反の回避、帰属権利の尊重、自己の研鑚、社会活動等への積極的参加などを基本原則としています。
基本原則に沿った形で行動規範を守っていくことが重要です。例えば「専門とするサービスの提供」では、自分なら専門としている技術領域と資格に合致している業務のみを遂行する、「事実にもとづく表明」では技術的判断において事実と異なるような表示・表明を避けるなどが求められます。
建設コンサルタント企業でも独自のコンプライアンス方針を掲げています。
例えば、すべての社員がコンプライアンス経営を行うための主体である認識を行い、規範・項目を明らかにするなどの方針です。自社で定めた行動指針を一人ひとりの行動に落とし込んでいくことにより企業価値向上を図っている企業もあります。
一般社団法人建設コンサルタント協会では、コンプライアンスプログラムを定めており、導入を促進しています。例えば、経営者の独占禁止法遵守の宣言に関することです。独占禁止法遵守の周知と徹底、従業員向けの独占禁止法遵守マニュアルの作成などを定めています。
さらに、営業倫理行動規範の作成や入札価格などに関する社内責任体制の確立、その他をコンプライアンスプログラムとして策定しているので、一度確認してみることをおすすめします。
過去には、コンプライアンス違反によって事業停止の措置が取られたようなケースがあります。
計量法に違反して未登録の計量器を使うなどして環境調査をしたとして、佐賀県は8月16日、佐賀市の土木建設コンサルタント会社・A社の社長を同法に基づき17日から10日間の事業停止処分にしたと発表した。
県くらしの安全安心課によると、問題になったのは10~11年度に佐賀空港周辺で二酸化硫黄など五つの物質の大気中濃度を測定する事業。A社は、これら五つの物質に関する登録や届け出をしないまま、県外の業者から機器を借りるなどして計量証明書を発行していた。今年4月、匿名の電話通報で発覚した。計量法では計量証明事業をする際、物質ごとに使用する機器や計量方法を知事に登録・届け出るよう定めている。
出典: 毎日新聞 地方版 (2012/8/17)
この問題の背景には、担当会社がコンプライアンスなどについて正しい知識を持っていなかったことが関係しています。「届け出は事後に行えば良い」と思っていたとのことで、県側についても詳しい知識がなかったとして再発防止を検討しているとのことです。
「知らなかった」では済まされないことなので、建設コンサルタントを目指している方はあらかじめコンプライアンスについてよく理解しておく必要があります。
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