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こちらでは建設コンサルタントの仕事について詳しく紹介していきます。建設コンサルタントの仕事の内容や流れ、やりがいや大変なこともまとめました。
建設コンサルタントは、工事の企画や設計、管理といった事務作業が多いように思われますが、営業のような仕事も結構な割合を占めています。クライアントに工事の提案をするのも、建設コンサルタントの仕事です。そのため、建設コンサルタントはあちこちに出向き、クライアントと打ち合わせを行う必要があるのです。
契約が取れてからも、工事の方向性や工期について綿密な打ち合わせをしなくてはいけません。事務作業が多いようなイメージがありますが、実はコミュニケーション能力が重要視される仕事といえます。
クライアントは、建設コンサルタント会社とゼネコンの両方に依頼を出すことになります。設計と施工は別にしなくてはいけないと、国に決められているからです。クライアントは、建設コンサルタント会社とゼネコンと契約することにはなりますが、ゼネコンを管理するのは建設コンサルタント会社の仕事となります。そのため、両者の意見をうかがって、両者をたてつつ、工期内に仕事が終わるように調整しなければなりません。
工事を行うときに、地域住民に対して迷惑がかかる場合は、地域住民へ説明して納得してもらわなくてはなりません。このとき説明会を行うのも、建設コンサルタント会社の仕事となります。ゼネコンやクライアント、地域住民など、いろいろな人に工事について説明をしなくてはいけないので、人と話す機会はかなり多いといえるでしょう。
仕事によっては、海外に派遣されることもあります。国内の建設事業は少ないので、多くの建設コンサルタント会社が海外に進出しているためです。現地で働く人、それから現地に派遣されたゼネコンの作業員と、上手く連携を取っていかなくてはなりません。海外では限られた条件のなかで作業しなくてはいけないため、国内で作業するよりも難しい面があります。
ただ、建設コンサルタントとして派遣された以上はこなさなければならないため、責任感が問われる仕事となっています。
建設コンサルタントは、基本的には裏方の作業となりますが、工事が無事に終わったときの達成感や喜びは計り知れません。規模が大きくなればなるほど、一筋縄ではいかないので、より達成感は大きくなります。工事のときは、アレコレと文句を言われても、任せて良かったと感謝されることは珍しくありません。
忙しい仕事ではありますが、自分のした仕事が誰かの役に立つ、とても素敵な仕事だといえるでしょう。
建設コンサルタント会社で働くのは、男性だけではありません。女性も多く働いており、出産のために育児休暇を取る人たちもいます。一度仕事から離れてしまうと再就職が難しいといわれるなか、再び同じ現場に戻ってこれるのは、働く側にとってはとても嬉しいこと。女性でも安心して働ける業界だといえます。
日本は大規模災害が多い国であることから、災害時に極力生活に支障をきたさないよう、さまざまな施設・インフラが整備されています。貯水を行うダムや津波を防ぐ高い防波堤、耐震面を強化したビルなど、その内容は多岐に渡ります。
安全性を担保するために、「実際に設計を行う企業と施工を行う企業は異なる必要がある」というルールが定められており、建設コンサルタントは両者をつなぐ架け橋として機能します。
人々の暮らしを守ったり、支えたりするために、多くの人たちの指揮をとっているのが建設コンサルタントなのです。
目に見える形で自身の成果が残る点を魅力に感じる方は多いのではないでしょうか。
建設コンサルタントは施工を担当するのではなく、管理などを中心に担当するため、「自身が手掛けた成果」だとは感じにくいのでは?と思われるかもしれませんが、建設コンサルタントがいなければ存在しなかった建築物であることには間違いありません。
そのなかには、担当した建設コンサルタント1人ひとりのエッセンスがくわえられており、あなたがいなければ創造しえなかったものとなります。やりがいは非常に大きいといえるでしょう。
建設コンサルタントが手掛ける建設物は完成までに長い年月を要します。短いものでも数年単位を要しますし、規模が大きい案件となると10年、20年と長期スパンになります。大規模な案件はその街並みを大きく変え、歴史の分岐点にもなりえます。
小さな仕事を多数こなしていくのではなく、長期スパン×大規模なやりがいのある仕事がしたいという人にはぴったりの仕事です。
各領域の専門性が求められる建設コンサルタントは、AIによって代替されることがない職種とされています。
もちろんデータベースなどを元にAIが最も良いプランを提示してくれる可能性はあるでしょう。しかし建設コンサルタントは、予算や工期を組み立てる計画性や建設に知識、クライアントとの密なコミュニケーションなど、多くの領域が絡み合う仕事です。また、臨機応変に対応や変更を求められる場合もあります。
AIには代替できない、責任とやりがいのある仕事なのです。
建設コンサルタントは働きがいのある仕事ですが、勤め先によっては自分の時間が全くないこともあります。労働時間が長く、残業時間が多かったり、休日出勤が多かったりするケースも珍しくありません。労働時間が長ければ、私生活に充てる時間が取れないので、不満が溜まってしまいます。そのため、労働条件が合わないと、同業種の他企業、あるいは異業種に転職をしてしまう人たちもいます。
建設コンサルタントは、建設業界の中では給与が高いといわれていますが、労働時間に見合っていないとの声もあります。それは、度重なる休日出勤や時間外労働をしても、給与に反映されないことがあるからです。
そもそも、残業時間は国によって決まっているため、時間を超えるような残業はさせられません。とは言いつつも、間に合わない分は誰かがカバーしなければ、工期に間に合わなくなってしまいます。そのため、残業時間につけられないけれど、時間外労働をしなくてはいけないケースが発生してしまうのです。
建設業界は、人間関係が厳しいことでも有名です。とくに、建設コンサルタントの場合は、クライアントと現場で働く人たちの両方から、厳しい意見をぶつけられることもあります。
クライアントは、工事について深い知識を持っているわけではないので、無茶な希望を伝えてくることも考えられるのです。一方で、現場で働く人たちも、そんな無茶な工事はできないと、意見をはねのけてくることがあります。あちらを立てれば、こちらが立たず、建設コンサルタントは辛い立場にあるといえます。
意見を受け止めつつも、気持ちを切り替えることができなければ、ストレスが溜まってしまうので、気をつける必要があるでしょう。
公共性が高い建設物を扱う建設コンサルタントは、安全な工事はもちろん、周辺環境への配慮や工事の進捗などの管理、クライアントの的確な要望ヒアリングなど多くの要素を一手に担う仕事です。やりがいを感じることができる分、工事に関わる人はもちろん、その周辺に暮らす人や将来的に利用する人のことを考慮すると、担う必要がある社会的責任は非常に大きいと言えるでしょう。
やりがいがある、責任があるといえば魅力的ですが、一方でその責任の重さが嫌になったりプレッシャーに負けてしまう瞬間もあるかもしれません。
臨機応変な対応と大量の業務・タスクをこなすことが求められる建設コンサルタント。臨機応変に対応することが求められる理由は、天候や土地の状態はもちろん、多くの会社が交わりながら工事を実施するからこそ、計画が一筋縄では進んでいかないためです。工事は夜間も実施している場合、24時間365日、何が起きてもおかしくない状態だと言えます。
ゆえに激務となる場合が多く、一定の体力を持ち合わせていなければ務まらない仕事だと言われています。
ただし、それはあくまで一部の会社のみ。地方の会社では責任とやりがいを感じながら、プライベートも充実されることができます。どういった働き方を望むか、今後の人生や働き方も視野にいれながら就職先を決めるようにしましょう。
建設コンサルタントは一部の領域に特化した専門知識ではなく、幅広い領域の専門知識が求められる点が大きな特徴です。土木関連の知識や都市計画、防災計画など、建設にあたり必要な知識を把握し、日々アップデートされる情報に対応していく必要があります。
建設現場で建設コンサルタントが担う役割が大きいからこそ、日々変化する環境に適応し、継続的に知識を深めていける人でなければ活躍できないことを念頭に置いておく必要があります。
忙しいなかで資格取得や勉強会へ参加する人も多く、絶え間ない努力が求められる点が特徴です。
地方と都心で、勤務時間は大きく異なる場合があります。都心は住む人も多く、物流も盛んに行われるので、大きなインフラ整備が行われやすいといえます。そのため、工事にかかる時間も長くなるので、労働時間は増えてしまいやすいのです。
一方で、地方の場合は、インフラ整備がそこまで行われないので、規模が小さく案件も少ない傾向があります。工事が少なければ、当然ながら勤務時間も少なくなるのです。労働時間が長くて不満を持っているなら、働く環境を変えてみるというのもおすすめです。
建設コンサルタントは、基本的には自社に出勤します。現場の始業時間と合わせ、8:30出社など、比較的早い時間に出社される方が多いようです。その後、事業計画に必要なデータを収集するなどし、休憩を挟みます。
午後はクライアントとの打ち合わせなど、外出が多くなるでしょう。クライアントとの打ち合わせ、現場担当者との打ち合わせをこなした後、建設予定現場に足を運ぶといった仕事もあります。
自社に戻りPC作業をこなした後、帰宅は19:00~20:00頃になることが多いようです。
建設コンサルタントがメインで対応する相手のひとつに「クライアント」がいます。建設コンサルタントは基本的に、クライアントの都合を優先し、動いていかなければならないことを理解しておく必要があります。
クライアントの要望次第で細かな打ち合わせを実施することはもちろん、必要に応じて現場に出向く必要もあるでしょう。クライアントの要望次第で柔軟にさまざまな場所へ足を運ぶ必要がありますが、ほとんどの業務は18:00頃までの業務時間内で終了するものが多いようです。
大規模な案件を複数抱えている場合や、工程として大きく問題を抱えやすい時期は残業や休日出勤を求められることもあるでしょう。
前提として、残業を避けるようにスケジュールを組んだり、業務を振り分けていくことが大切です。その上でクライアントや設計会社などの都合により、突発的な事態が発生する可能性があることを理解し、自身のタスク管理を行っておくことが望ましいといえます。
大切なことは、クライアントから任された仕事をきちんと遂行することです。その観点に立てば必要な残業や休日出勤もあるでしょう。
全登録業者のうち約30%が該当する部門です。ダムの建設などはこの部門に入るほか、地滑りなどを防ぐ「砂防」もこの部門が担当します。
河川空間の利用を行いながら周辺の自然環境への配慮が必要となるだけでなく、環境変化や水不足など多岐に渡る問題への知識が必要となります。災害への対応はもちろん、排水処理なども一手に管理する必要があります。
空港や港湾建設時には、通常の建設時とは異なる専門的な知識を求められるため、1つの部門としても独立しています。
空港自体の設計などに関わることはもちろんですが、これらは飛行時や着陸時など、周辺環境に与える環境が大きいです。そのあたりに配慮しながら、災害時にも対応できるような建設が求められています。
電力土木というと一見多そうな部門に見えますが、登録業者は全体の1%強と非常に少ない部門です。電源開発計画などを求められる部門であり、発電用のダムや水路の企画や立案、環境調査といった仕事を担当します。
そもそも建設数が多くないという点はありますが、その建設は長い年数が必要な一大工事です。案件自体なかなかありませんが、知識として持ち合わせておくと、大規模な案件を任せてもらえるかもしれません。
日本国内で最も多い、40%強の業者が登録している部門です。現在、環境の変化や生活の変化と共に、道路工事に求められる要件や走行安全性、快適性は変化してきました。長く活用していくための維持・管理方法の変化や、車文化の変化もあるでしょう。
新たな技術を取り入れ、日々革新を重ねていかなければ勝ち残っていけない部門とも言えます。
鉄道部門は一見登録が多そうな部門ですが、全体の2%程度しか登録がない部門です。鉄道部門は他の部門と異なる建設知識を求められることから、鉄道分野を扱う企業は鉄道に特化し、技術や知識を深めてきた傾向があるようです。
周辺の環境調査はもちろん、認可取得や都市計画との連動性など、求められる知識の幅は特に広い部門と言えるでしょう。
日本国内の約20%が登録している部門です。日本の水道普及率は世界的に見ても高く、都市部、地方を問わずほぼ全国的に網羅されているといって過言ではないでしょう。また、工業用の水道なども扱っていることから、水回りに関する専門知識が豊富な部門といえます。
災害時の復旧なども対応するため、ライフラインの維持に必要不可欠な部門です。
世界的に見ると水道の普及率は高い日本ですが、先進国の中では下水道の普及率は決して高いとは言えません。都市部と地方に差がある領域であり、今後継続して必要とされる分野といえます。
また、災害時にはどうしても破損などの可能性が生じる部門であり、いざと言う時の対応はもちろん、災害時にも強い基盤を作ることが求められています。
農地維持のためには、排水処理や農地の整備など、幅広い業務が必要です。それらを網羅的に実践するのが農業土木の役割です。
調査からはじまり、企画立案や周辺の環境調査を実施します。農地となる場所は都市部と比較し、地盤がエリア毎に異なる場合や天候変動を受けやすい場合が多く、丁寧な調査が求められる場合が多いようです。
沿山や林道などの整備を担当するのが森林土木です。森林は、整備をしなければ日々廃れていってしまいます。腐った木などを放置しておくと、災害が発生した際に被害を拡大させてしまう可能性があります。
二次被害を防ぐためにも、日頃から森林保全を行うことは非常に重要なため、あまり華やかな印象はありませんが、多くの人の安全を守っている部門と言えます。
漁港の計画や、沿岸漁場に関しての企画立案、管理を担う部門です。漁港周辺の環境に配慮し設計を行わなければ、災害時に大きな被害を受ける可能性もあるでしょう。日頃漁を営む方が安心できることはもちろん高潮や津波などから守るための技術を結集する必要があります。
河川・海岸部門と異なり、あくまでも主は漁場である点がポイントです。
廃棄物部門は日本国内でも約2%の登録に留まる、非常に登録業者が少ない部門といえます。廃棄物処理場の企画、立案などを行っているため、今後ごみが増え続けている日本社会においては、継続して需要がある部門と言えるかもしれません。
環境配慮などがほかの部門と大きく異なり、専門性が高い分野です。
公園緑地に関する企画、立案、管理を担う部門です。他の部門と異なり、配慮のような側面を多く求められる部門です。
日頃生活している中で公園や緑地が目に付くことはないでしょうか?公園であれば子供の安全性や、人目に付かない場所をなるべく少なくするなどの配慮が必要となります。緑地であれば、エリアに適した様子を展開する必要があるでしょう。
建設コンサルタントを目指す人の中には、都市計画に関わることが目標という方は多いのではないでしょうか?
駅や駅周辺の大きな建物を建築することで、街や地域は大きく活気付きます。前提として都市を開発するために実施されるため、周辺の交通環境や住居など、多くの要素を網羅的に把握することが求められる分野です。
事業によって求められる地質は異なります。実は専門的な知識を用いて助言を行うために、地質部門が存在しているのです。
事業者にとって地質はビジネス上の大きな要素となるからこそ、日本国内では4%程度登録業者が存在し、一定のニーズを継続的に得ている部門といえます。一見ニッチな分野のように感じるかもしれませんが、他の分野とも複合的に関連付けやすい部門です。
基礎部分に関わる内容を扱う部門です。工事は基礎が最も重要といっても過言ではありません。基礎が安定しなければ、建設物が安定することはまずないでしょう。
全ての土地で同様の基礎が適しているのではなく、土質に左右される部分が大きいため、さまざまな要素を考慮した対応が求められます。実務経験が豊富な方に適した部門とも言えるでしょう。
建物の核となる構造部分を担う部門です。鋼構造、鉄筋コンクリート構造、コンクリート構造を専門領域とする部門で、比較的大きな建設物を対応する際に必要とされる場合が多いでしょう。
設計部分にも関わる場合が多く、広く工程を深く理解する必要があります。もちろん他の分野も同様ですが、専門知識力が問われやすい分野と言えるでしょう。
交通網の発達に伴い、継続的にニーズが高い部門がトンネル部門です。山間部の交通網の開拓に用いられることはもちろん、近年では地下部の有効活用方法としてトンネルが重宝されています。
災害時にも緊急避難路として活用できる要素が大きく、周辺環境の調査はもちろん、維持管理まで幅広い知識が必要となる分野です。
工事を実施する際に必要な内容を網羅できているか、という点を判断する部門です。内容ゆえに、建設時のマネジメントを行う要素が大きく、工程管理はもちろん費用に関するまで、事務的な要素を網羅的に扱っている点が特徴です。
管理を実施するためには、幅広い業者の動向を的確に把握する必要があり、建設コンサルタントの部門としては網羅的な知識が求められます。
森林関係、廃棄物関係を除くその他の事業計画に対し、管理を行う部門です。
道路工事などをはじめとする多くの部門では、複合的にさまざまな業種が関わることで、建設コンサルタントが扱う範囲は多岐に渡ります。円滑な工事進行を念頭に置いた際、抜け漏れなく工事を進めていくために必要とされているのが、建設環境部門です。
工事を実施する際には、必要となる機械があります。機械の精度が高くなければ、結果的に工事の進捗や完成度に影響を及ぼす場合があり、そのいような事案を未然に防ぐという観点からも、重要視されるのが機械部門です。
必要となる機械の調査や管理を実施し、工事における進捗をサポートします。
あらゆる事業において電気は必要不可欠です。一方で配線時など、専門的な知識を持ち合わせていなければ安全性を担保することができません。したがって電気電子部門が必要となります。
工事内で設計部分を担うことがあるほか、管理までを一気通貫で対応する場合が多い部門です。
建設プロジェクトの成功には、人材、資材・機材、資金、情報、時間の管理が重要です。建設コンサルタントのプロジェクトマネジメントでは、これらの要素を適切に管理し、自社の状況に合わせた活用が求められます。業界の標準を参考にしながらも、自社に最適な方法を見つけることが、成功への鍵です。
ホワイトな
建設コンサルタント会社の見分け方