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一つの建物を作り上げる際には、建設コンサルタント以外にもさまざまな業種の方が関わっています。ここではそのうちの一つである「地質調査業」とは何か、建設コンサルタントとどのような違いがあるのかについて解説します。
地質調査業とは、名前の通り地質や土質に関する調査を行う仕事です。調査や計測を行い、その結果を解析・判定する重要な役割を持っています。
例えば、建物を建てる際、その土台となる地盤が弱ければ構造物が壊れる恐れがあるほか、沈下して傾いてしまう可能性が高いです。こういったことがないように事前に地盤を十分に調べるのが地質調査業の役割でもあります。
構造物をつくる上で欠かせない業務を担当することになるのは、地質調査業も建設コンサルタントも同じです。建設コンサルタントは構造物の企画作りから施工監理に及ぶまで総合的に関わるのに対し、地質調査業が関わるのは、主に「調査」業務であるといった違いがあります。
なお、総務省による分類を見てみると、建設コンサルタントと地質調査業はともに「土木建築サービス業」に位置付けされています。
地質調査業が担当する業務内容は多岐にわたります。代表的な業務内容は以下のとおりです。
標準貫入試験とも呼ばれるボーリング調査などを行っています。ボーリング調査とは、地面を掘りながら土を採取し、地盤がどの程度の固さを持っているのか、土の密度はどれくらいかなどを調査するために行うものです。
ボーリング調査を行うことにより、その土地に建物を建てた際、きちんと支えられるのかなどがわかります。
現場での調査作業を行う前に必要なのが、情報の収集です。地形図や地盤図、空中写真といったさまざまな資料を用いて調査地域周辺の情報を収集します。これまでの工事の記録や災害の状況、影響なども調べなければなりません。
調査したデータや、各種実験などの結果をもとに解析・判定を行います。地層や土の性質などを調べ、対象構造物を建てても問題ないかなどを判断する作業です。
発注者に対してわかりやすい報告書を作成する作業も地質調査業の業務に含まれます。
地質調査業において地質調査技士として働くためには、資格を取得しなければなりません。国家資格ではなく民間資格で、「全地連」の呼び名でも知られている一般社団法人全国地質調査業協会連合会が認定している資格です。試験は毎年7月に実施されます。
現場調査部門と現場技術・管理部門の2つがあり、それぞれ受験資格が異なるので確認しておきましょう。いずれも実務経験が必要であるため、関連する業務に従事することなく資格を取得することはできません。
必要な実務経験は最終学歴によって異なります。
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建設コンサルタント会社の見分け方