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建設コンサルタントとして働く女性の声

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建設コンサルタントの女性として活躍するIさんのインタビュー写真

建設コンサルタントの女性として26年のキャリアを築くIさん。二度の育休を経て、子どもの受験を支えながら技術職で活躍中です。

日々の誠実な仕事で信頼を築き、理想の働き方を叶えるまでの道のりをインタビュー。そこから見えてきた、地方の建設コンサルタントだから実現できた「ホワイトな職場環境」の魅力をお届けします。

就職氷河期を乗り越えて。地元で見つけた「環境」に関わる仕事

――本日はよろしくお願いいたします。新卒でこの業界を志したきっかけを教えていただけますか?

実は最初から土木・建設の仕事を志していたわけではありません。大学では環境アセスメントを専攻していたのですが、就職活動をスタートした当初は「就職氷河期」と呼ばれる時代でした。

企業の求人自体が限られていましたし、現在のようにインターネットで求人情報を探せる環境でもありませんでした。分厚い就職情報誌をめくっては、一軒ずつ電話をかけて新卒採用を募集しているか問い合わせていたのを覚えています。

――電話で一軒ずつですか!今の就職活動とは異なり、模索しながらお仕事を探す形だったんですね。

そうですね。就職活動を続ける中、地元で環境に関わる仕事がしたいと考えていたところ、今の会社にご縁があったんです。「採用していただいた場所で誠実に頑張ろう」という思いで新卒として入社を決めました。

当初は道路や公園を設計する部署に配属され、CADオペレーターや事務職といった、技術者のサポート業務を担当していました。現在は、専門職の技術者として土砂災害調査をはじめとする仕事をしています。

事務職から技術職へ。本人の意欲を「キャリア」に変える柔軟な育成体制

――事務職から現在の土砂災害調査などの専門的な技術職へ転向されたのは、大きなキャリアチェンジだったのではないでしょうか。

はい。産前産後休暇を経て、2人目の子どもの育児休暇から復帰するタイミングで、上司から「技術の仕事に挑戦してみない?」と声をかけていただいたんです。

――これまでのIさんの仕事ぶりが、技術者としての適性を含めて高く信頼されていた証拠ですね。

今まで携わったこともない仕事だったので、お話をいただいたときは、わたしも少し驚きました(笑)

当時は、復職後に以前と同じポジションに戻れるか不安もありましたが、会社が私の特性を見てくれていたことは非常にありがたいと感じました。実際に技術職に就いてみると、業務範囲が広がり、他部署のメンバーと仕事をする機会が増えてきたんです。

その結果、クライアントの希望を優先的に考えながら、自分一人で仕事を抱え込むのではなく、チームで役割を分担しながらプロジェクトを進めるようになりました。結果として、仕事のスケジュール管理や自由度も上がり、子どもの用事や家庭の都合との両立しながら仕事ができるようになったんです。

――事務職のときは、自分のペースで仕事を進めるのが難しいこともあったのですか?

技術者がクライアントと設定した工期でプロジェクトが進みます。そのため、事務職は急ぎで資料を作成する必要があったり、請求書の回収スケジュールが決まっていたりなど、自分の都合で仕事が調整できない部分もありました。

一方で、今の技術職は「いつまでにこの成果を出す」という目標に対して、プロセスを自分で組み立てられます

調査に打ち込む時期もありますが、子どもの行事がある日は前倒しで進めて調整します。プロジェクト全体が遅延しないようにしながら、自身のペースで仕事を進められます。プライベートと仕事を両立できる今の働き方は、私にとって大切な要素だと思いますね。

――責任は大きくなりますが、その分「自分で仕事をコントロールしている」という手応えがあるのですね。

そうですね。もちろん技術職ですので、常に新しい知識を取り込み、勉強し続ける姿勢は欠かせません。それに加えて、今の職場には年齢や性別に関係なく、本人の意欲を汲み取って「より責任ある仕事を任せてくれる環境」を用意してくれる土壌があります。

事務職の経験があったからこそ、技術者として周囲をサポートする視点も持てるようになりましたし、今の仕事に大きな誇りを持っています。

地域の安全を担う高い要求と、暮らしを守るプロとしての使命感

――現在の主業務である「土砂災害に関する基礎調査」は、季節を問わず現場に足を運んで調査をする責任も大きい仕事ですよね。

はい。土砂災害が発生する恐れのある範囲を特定し、区域設定のための現地調査と取りまとめを担当しています。地域の安全を守るため、行政機関の厳しい要求にお応えしていくという、プロとしてのプレッシャーを感じる場面もあります。

――そうしたプロとしての厳しい局面を、どのように乗り越えてやりがいに変えていらっしゃるのでしょうか。

そんなときに私を支えてくれるのは、現地調査で出会う地域の方々との交流なんです。山間部の小さな集落などへ伺うと、女性技術者が珍しいのか、地元のご年配の方々が「暑いのに大変だね」とアイスやジュースを差し入れしてくださることがあって(笑)。

――それは、心温まるエピソードですね!

ええ。わずか数軒の人家しかないような村へも足を運びます。直接お話しを伺うと、「この方々の平穏な暮らしのためにも、私の調査が重要なんだ」という使命感が湧いてくるんです。

デスクワークだけでは決して味わえない、この使命感こそが、過酷な夏場や冬場の調査を乗り切る原動力になっています。

プロとしての「泥臭い努力」が、柔軟な働き方を支える信頼へと繋がる

――そうした仕事への真摯な姿勢が、結果として柔軟な働き方を会社が承認してくれて、「信頼」に繋がっているように感じます。

ありがとうございます。そう言ってもらえると嬉しいですね。

最近では業界全体が働き方改革によって大きく変わりました。かつての建設業界は、とにかく時間と体力をかけてタイトな要望に応えるような、がむしゃらな働き方が主流の時代もありました。

私自身も、若手の頃は納得のいく成果を出すために、目の前の仕事に無我夢中で向き合ってきました。大変な時期もありましたが、そこで培った技術と「最後までやり抜く姿勢」が、今の自分を形作る大切なプロセスだったと感じています。

その後、産後休暇や育児休暇を取得しましたが、約26年間、社員のメンバーと協力しながら地道に仕事に取り組んできました。今回私が「子どもの受験を支えたい」と相談した際、会社も「Iさんなら任せられる」と新しい働き方を共に模索してくれたのだと思います。

――「ホワイトな職場環境」はただ与えられるものではなく、プロとしての厳しさと向き合い、信頼を得た先に作られていくものなんですね。

色々な考え方があるので一概には言えませんが、私はそうだと思います。

今いる建設コンサルタントの会社では、そうした個人の努力や専門性を正当に評価し、一人の声をきっかけに組織として新しい選択肢を提示してくれる環境があります。

厳しい現場があるからこそ、効率的な働き方の価値が輝きますし、それを受け入れてくれる「人の温かさ」があるから、私はこの仕事を26年も続けてこられたのだと感じています。

女性技術者がテレワークを実現。一人の声で柔軟に進化する組織

――現在は在宅で勤務されているそうですが、建設コンサルタント業界、特に現場調査を伴う部署ではかなり先進的な試みですよね。

はい。実はこれも、私から会社に直接相談をさせていただき、認めていただいた形なんです。今年は子ども二人が同時に受験という大切な時期なんです。

以前、上の子の受験が繁忙期と重なり、思うようにサポートできなかったという心残りがありました。今回はそばで見守りたいという思いを勇気を出して伝えたところ、会社が真摯に向き合ってくれました。

――制度がないところから、Iさんの想いに応えて新しい働き方を模索してくれたのですね。

期間限定で在宅にする許可をいただき、働き方の一つの事例のようになりました。働きやすさとは単に与えられるものではなく、誠実に働き信頼を積み重ねることで、会社と共に新しい形を作っていくものなのだと実感しています。

業務を効率化し、リモートワークでもコミュニケーションが取れるツールを活用すれば、離れていても連携に支障はありません。こうした個人の事情に寄り添い、柔軟にアップデートしてくれる今の会社の度量には、本当に感謝しています。

――一方で、テレワークが向いていない人は、どのような方だと思いますか?

入社したばかりで、周囲に聞かないと業務の進め方がわからない人や、新入社員のように基本的なビジネススキル・専門性がない場合は難しいかもしれません。

仕事の全体像が把握できていない状態でのリモートワークは、仕事に関わる周囲の人間はもちろん、自分自身への負担が大きくなります。社内の人間関係や信頼関係が構築されていて、専門性がある方にとっては、仕事の効率を高めるワークスタイルの一つになるかもしれません。

地域の「余白」が育む、家族と仕事の健やかな関係

――Iさんは大学時代に一度地元を離れていると伺いました。地元を離れた経験を経て、地方で働くことの価値をどう感じておられますか?

一番に感じるのは、生活の中にある「ゆとり」でしょうか。都心部での生活は、どうしても移動そのものが大きな負荷になりがちですよね。満員電車に揺られる時間や、激しい渋滞など、日々の移動にエネルギーを削られてしまう場面も少なくないと思います。

――確かに、都心部では「移動の負担」が心身の疲労に直結し、家庭の時間に影響することもありそうですよね。

私達のような地方での暮らしは、そうした物理的なストレスが少ないんです。移動がスムーズな分、自分や家族のために使える「時間的な余白」が生まれます

また、私の場合は実家が車で10分ほどの距離にあり、子どもの送迎などで両親のサポートを受けられたことも、フルタイムで働き続ける上での大きな支えになりました。それに繁忙期は、夫が子どもの面倒を見てくれていました。支えてくれている夫と両親には、いつも感謝の気持ちでいっぱいです。

――物理的な距離の近さが、心の余裕にも繋がっているのですね。

そうですね。愛着がある地元にマイホームが持てることも喜びですし、自然豊かな環境でリフレッシュすることで、また明日から頑張ろうという活力が湧いてきます。

こうした穏やかな暮らしの土台があるからこそ、厳しい現場調査も、責任ある技術職としての職務も、前向きに取り組めているのだと感じています。

役職者が率先して汗を流す。風通しのよい人間関係が作るホワイトな社風

――地方の建設コンサルタントの職場の魅力を「人の温かさ」とおっしゃいましたが、具体的にはどのような場面で感じますか?

わたしがいる職場だからなのかもしれませんが、役員や上司といった立場の方々が、草刈りや引っ越し作業のような雑務も、私たちと一緒に汗を流してくださることですね。立場に関わらず「全体を良くするために自ら動く」という姿勢を、上司が背中で見せてくれます。

――役職を問わず、現場特有の課題を泥臭く解決していく姿勢を、上司の方々が体現されているのですね。

その通りです。上が動いて背中を見せてくれるからこそ、私たちも「自分も周囲のために頑張ろう」というポジティブな循環が生まれます。人間関係を乱すような人がいないのは、こうした誠実な方々が集まっているからだと思います。

――そんな素晴らしい仲間と共に歩む、これからの展望を教えてください。

まずは「孫育て」が目標です(笑)。自分が働き続けられたのも、親が近くにいてくれたおかげという部分が大きくて。娘にも同じようにサポートできる存在でいたいんですよね。仕事の面では、自分が会社に支えてもらってきた分、後輩の女性技術者たちが安心してキャリアを築いていけるよう、これからは自分がそういう存在になれたらと思っています。

育休も取りやすいですし、働き方についても相談できる。地方の建設コンサルタントにも、女性が長くキャリアを積める環境はあります。これから入ってくる方たちに、ぜひそれを知ってもらえたら嬉しいですね。

――本日は、素敵なお話と貴重なお時間をいただきありがとうございました!

インタビューを終えて

26年という歳月を歩んできたIさんの言葉には、制度だけでは語れない「文化としてのホワイトさ」が詰まっていました。

お子さんの受験のためにと働き方の相談をし、それを会社が新しい選択肢として柔軟に受け入れる。信頼を積み重ねてきた個人と、それに応える組織の度量。地方でそんな会社に出会えたら、「建設コンサルタントとしての自分らしいキャリア」を諦めずに築けるのだと、強く感じさせられる取材でした。

女性が建築コンサルタントとして働くことについて

建設業界ではまだまだ女性が少ない

建設コンサルタントは男性の社員が圧倒的に多く、他業種と比べると依然として女性は少ない状態です。最近はドボジョという愛称で、土木系に勤める女性に注目が集まっていますが、思いのほか増えていないというのが建設業界の実情なのです。

それもそのはずで、土木工学を専攻する大学生の大部分を占めるのは男子学生で、女子学生は2割にも満たないといわれています。肉体労働が多くてハードワークであるというイメージが浸透しているせいか、目指しにくいと感じている女性が多いようです。

女性の採用に積極的な企業も!

建設業界で働く女性が少ないとはいえ、女性の社会進出が当たり前になりつつある現代では、女性を積極的に採用する企業も増えてきています。昔のように、結婚や出産で退職をする女性が減っているため、多くの企業が共働き家庭や女性社員が働きやすい環境を整えるようになってきているのです。

育児休業や時短勤務などの制度を導入している企業もあります。建設コンサルタントを目指すときは、育児と仕事を両立できるような制度が整っているかを、事前に確認しておくと良いでしょう。

女性が建設コンサルタントとして働く魅力

女性の社会進出が増えているといっても、妊娠や出産で築いてきたキャリアが失われるという女性は多いようです。特に、女性は20代から30代にかけて、出産や育児で仕事から一時離脱してしまう人も少なくありません。数年間働かないブランクと、小さな子どもがいるということで、採用を見送られてしまうケースはたくさんあります。

そんなとき、手に職をつけていれば、同じ職場で働き続けるのは難しくても、再就職先を見つけやすくなるでしょう。建設コンサルタントのような専門性の高い職業は目指す女性が少ない分、ライバルが少なく、就職先を確保しやすいといえます。

建設業界は専門性の高い知識が必要になるので、働くうちに資格を取ることをすすめられるでしょう。そのため、資格取得を支援する制度が整っている企業が多く、制度を活用すれば、独学よりも簡単に資格取得を目指せます。また、資格手当が支給される企業なら、高収入を得ることも夢ではありません。出産や育児で一旦仕事から離れたとしても、資格さえ持っていれば、再び働くときに優遇してもらえたり、有利な条件で働いたりできるでしょう。

働きやすさを求めるなら
都心地方か?

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