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ブラックと言われる建設コンサルタントですが、その理由の1つに残業時間の多さがあります。今回は、建設コンサルタントの残業時間の平均や残業時間を減らす取り組みについて解説していきます。
建設コンサルタンツ協会(JCCA)の発表によれば、令和元年のの建設コンサルタントの月平均残業時間は27.9時間でした。ただし、10〜40億円未満の企業は29.5時間、100億円以上の企業は25.3時間と、売上規模によって若干異なります。残業がゼロになったわけではありませんが、月平均残業時間は前年と比較して1時間弱減少しているため、業界全体では状況が改善されつつある、といえます。
また、ワーク・ライフ・バランスの推進を始め、働きやすい環境構築に取り組んでいる企業もあります。こうした取り組みも残業時間の減少に寄与しているでしょう。
建設コンサルタントの仕事は、主に行政から発注された公共事業に関するもの。そのため、業務の納期である3月の設定が多いのが現状です。
その結果、3月には納期の仕事が集中するため忙しくなり、そういった繁忙期を中心に時間外労働が増大することとなります。こうした状況の是正には、建設コンサルタント会社の努力はもちろんのこと、発注者である行政等が、早期発注、余裕ある工期設定、適正な工期での発注など心がけることも大切になってきます。
こうした状況のなか、建設コンサルタントの残業時間を減らす取り組みとしてはどのようなことが行なわれているのでしょうか。
建設コンサルタントの残業を減らす取り組みの1つとして、ノー残業デーの実施があります。発注者との協働により、週に1回残業をしない曜日を設定するというものです。
1週間における受発注者間相互のルールを定め、計画的に業務を進めることによって、建設コンサルタントの就業環境を改善するというのが、ウィークリースタンスです。
具体的には、
といった取組が推進されています。
今はたらいている建設コンサルタント会社、もしくは転職先として考えている建設コンサルタント会社はいかがですか?このあたりもしっかりチェックしておきましょう。
建設コンサルタント業界の残業の多さについてご紹介してきましたが、建設コンサルタントのなかには全体と比べて残業が少なめの会社もあるのです。
それは、「地方の建設コンサルタント」です。地方の建設コンサルタントとは、「本社のある都道府県内での営業活動が中心で、且つブロック(国交省地方整備局)内で営業活動を行っている企業」を指します。
平成23年度の「建設コンサルタント白書」によると、もっとも残業が多い月の残業時間数の実績について、売上規模が100億円以上の会社に注目すると、全国平均では101時間~150時間が65.3%、151時間~200時間が27.5%、200時間以上が7.2%であるのに対し、地方コンサルタントだけの平均を見ると、101時間~150時間が56.4%、151時間~200時間が43.6%、200時間以上は0%となっています。
もちろん、地方の建設コンサルタントも残業が多いですが、もっとも残業時間が多い200時間以上が全国では7.2%あるのに対して、地方は0%。繁忙期はどこも帰る時間が遅くなるのが通常ですが、徹夜続きは少なく、残業が月30時間程度という会社もあります。
地方の建設コンサルタントに転職した人のインタビューをまとめていますので、気になる方はチェックしてみてください!
残業が問題視されやすい建設コンサルタントですが、2019年には働き方改革関連法に基づく残業時間の上限規制が施行されました。これ以降、特別な事情がない限りは1ヶ月あたり45時間・年間360時間を超える残業が不可能になっています。
また、特別な事情がある場合でも、月100時間・年720時間を超える残業はできません。さらに45時間を超える月は年6ヶ月以内など、厳しい制約が設けられています。このような規制により、建設コンサルタントの労働環境改善が期待されます。
働き方改革関連法により、企業が社員に残業や休日出勤をさせるためには、労働基準法第36条に基づく労使協定(36協定)の締結が必須となりました。労働基準法では、法定労働時間が1日8時間(週40時間)、休日が1日と定められています。一方、企業がと社員が36協定を結んだ場合、この上限を超えた労働が可能になります。
ただし、管轄の労働基準監督署への届け出が必要です。また、36協定を締結する際は、残業を行う業務の種類や残業の上限などを決める必要があります。
働き方改革関連法では、残業時間の上限が月45時間・年360時間と定められましたが、施行に合わせて新たに罰則も設けられています。特別な事情がなく、規定の上限を超えた時や、特別な事情であっても年720時間を超えた場合、企業または個人は懲役6ヶ月または30万円以下の罰金を課せられる可能性があります。そのため、多くの企業が上限を超えないよう労働環境の改善に取り組んでいます。
36協定の罰則対象は主に会社の社長(代表者)ですが、直属の上司が罰せられるケースもあります。一方、企業によっては労働を管理する部門の担当者も対象になります。
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